検診では、以下の検査を実施します。
(市町村により検診内容が一部異なります。)

問診

既往歴や自覚症状、嗜好などを問診票に記載します。あなたの状態を知る重要な情報となりますので正しく記入しましょう。特に既往歴や自覚症状を記した内容には判定に影響する重要な要素が含まれていますので、正確に記載することが重要です。

身体計測

身長と体重を測定し、肥満度(BMI)を計算します。18.6から26.4が基準となる範囲です。{ BMI= 体重kg÷身長m÷身長m }

腹囲測定(メタボリック症候群判定)

メタボリック症候群は、血糖値や血圧がやや高く、お腹回りが大きいいわゆる『りんご型肥満』の人がリスクが高いと言われ、また動脈硬化の危険因子である「肥満」「高血圧」「高血糖」「高脂血症」を重複して発症していることが多いのが特徴とされ、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい大変危険な状態です。
検診では、腹囲測定の結果と血糖値,中性脂肪,HDLコレステロール,血圧値の結果からメタボリック症候群を判定します。

尿検査

試験紙により 尿蛋白,尿潜血,尿糖を調べます。
尿蛋白では腎実質や尿路系疾患の有無を、潜血では見えない血尿を検出し尿蛋白と合わせて腎障害の有無を調べます。また、尿糖は糖尿病の有無を判別するするためのスクリーニングとして利用されます。
最も基本的な検査ですが、大変重要な検査でもあります。

血圧測定

自動血圧計を使用して、最高血圧と最低血圧を計測します。
基準では・・

至適血圧最高120未満 かつ 最低80未満
正常血圧最高130未満 かつ 最低85未満
正常高値血圧最高130-139 または 最低85-89
軽度高血圧最高140-149 または 最低90-99
中等度高血圧最高150-159 または 最低100-109
重症高血圧最高160以上 またh 最低 110以上

としています。
高血圧は脳卒中や心臓病の原因ともなりますので、十分管理する必要があります。また、血圧は体の状態に合わせ常に変動しますので、1回の測定が正確に血圧を反映するとは限りません。特に検診中は緊張されて高くなることもありますので、深呼吸などして気持ちを整えてから測定するのも効果的です。

眼底検査

無散瞳眼底カメラを使用して、眼底を撮影し、医師により判定されます。
高血圧や動脈硬化性疾患の診断に極めて重要な検査です。

心電図検査

心臓の活動状態を知るうえで極めて重要な検査です。心電図は医師により判定され、不整脈や心筋障害などが発見されます。心電図に異常が認めら
れた場合は、医師の指導を受けましょう。
尚、検診当日は脱衣しやすい服装で受診しましょう。

血液検査

血液中の白血球,赤血球,ヘモグロビン,ヘマトクリット,血小板を検査します。白血球は感染症や白血病などを調べる場合に有用で、血小板は血液の凝固系の異常を知る手がかりになります。また赤血球やヘモグロビンなどは貧血の指標となります。
いずれも体の状態を推測するのに利用される基本的で重要な検査です。

肝機能検査

肝機能検査では次の8項目を検査します。
総蛋白は、血液中のアルブミンとグロブリンの総量を示しており、アルブミンとあわせて栄養状態や、病態の経過観察を知るのに有用です。
A/G比は(アルブミン・グロブリン比)は全身状態を知る指標になります。
ASTは [ アスパラギン酸トランスフェラーゼ ] の略名で、肝臓・心臓・筋肉などに多く含まれているため、高値の場合は、これらの障害が推測できます。
ALTは[アラニンアミノトランスフェラーゼ]の略名で、肝臓に多くふくまれているので、高値の場合は肝疾患の可能性が考えられます。
γ-GTPは [ ガンマーグルタミルトランスペプチターゼ] の略名で、肝臓や胆道の障害を反映し、お酒のアルコールでも高値になります。
アリカリ性フォスファターゼは、肝臓や骨に多く含まれているため、高値の場合は、これらの臓器の障害が考えられます。
B型肝炎ウイルス検査では抗原の有無を調べます。
C型肝炎ウイルス検査については、こちらをご参照下さい。

C型肝炎ウイルス検査の詳細

腎機能検査

血液中の尿酸とクレアチニンを測定し腎臓の働きを検査します。
尿酸が異常に高い場合は、痛風などが疑われます。
またクレアチニンやBUNが高い場合は腎機能の低下が考えられます。

糖尿病検査

血液中のブドウ糖とヘモグロビンA1C(HBA1C)を検査します。
血糖とは、一般に血液中のブドウ糖のことで体の主要なエネルギー源でもあります。正確な血糖値を得るためには空腹時に採血することが大切です。
一方、HBA1Cは、1ヶ月前からの血糖値の状態を反映すると言われており、これらを組み合わせて調べることで、糖尿病などの診断に利用され
ます。

血清脂質検査

総コレステロール,中性脂肪,HDLコレステロールを測定します。
総コレステロールは動脈硬化性疾患の危険因子として重要視されています。
この濃度を調べることで、糖や脂質代謝に関与する疾患の存在を推測するのに利用されます。中性脂肪も動脈硬化性疾患の危険因子のひとつで糖尿病や肥満、また糖や脂質代謝の異常をきたす疾患の診断や治療の経過判定に有用です。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、低くなると動脈硬化性疾患の危険が高まることがわかっています。尚、LDLコレステロールと動脈硬化指数は参考値として、上の3項目から計算したものです。

喀痰検査

喀痰細胞診と呼ばれています。
喀痰にふくまれる肺からの細胞を検査しレントゲンに写らないごく小さい癌の早期発見を目的としています。長年にわたり煙草を吸っている方は、受診をおすすめします。

大腸癌検診

大腸癌ではその多くが、便の中にごく微量の血液を認めます。
これを便潜血といいますが、この検査では非常に感度の高い方法で便に混じった血液を検出します。痔や大腸ポリープなどでも陽性となるために、便潜血が陽性となった場合は、さらに詳しい検査が必要になります。

胸部X線検査

胸のレントゲンを撮影し、医師により判定されます。

事後指導

検査結果をもとに医師及び保健師による指導が行われます。
検査の項目には基準値が設定されていますが、基準内だから大丈夫などの個人的な判断は大変危険です。必ず医師や保健師に相談し判断してもらうことが重要です。

血液検査項目の詳細

その他の検診